概要
- 課題
- 特長
- 導入メリット
課題
港湾物流手続は、各社のグループ内や特定の事業者間での電子化は進んでいるものの、港湾物流に関わるいずれの業種においても、約5割の手続が依然として紙、電話、メール等で行われているのが現状です。このため、紙やPDFの情報を電子化するための再入力作業や、情報や手続状況の電話問い合わせなど、非効率な作業が発生しています。また、同様の手続でも事業者毎に書類様式・項目や接続方法が異なるため、これらに個々に対応する必要が生じています。
また近年、コンテナ船の大型化に伴い、1回の寄港で積卸しするコンテナの数が増加しており、コンテナ搬出入トレーラーの到着が特定の時間帯に集中することが増えています。これがターミナルゲート前混雑の一因となっており、早期の解消が求められています。
Cyber Portとは
Cyber Portは、紙、電話、メール等で行われている民間事業者間の港湾物流手続を電子化することで業務を効率化し、港湾物流全体の生産性向上を図ることを目的としたプラットフォームです。

Cyber Portの特長
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Features01
港湾物流手続の電子化
民間事業者間において紙、電話、メール等により行われている港湾物流手続が電子化され、Cyber Portを通して行えるようになります。
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Features02
手続のトレーサビリティ確保
港湾に関わる民間事業者間で行われる物流手続の進捗状況が可視化できます。
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Features03
各社の事情に応じた利用方法の提供
各社の事情に応じて、①各社のシステムを通してCyber Portを操作する方法(情報連携API※1)と、②インターネット上のCyber Portの画面(GUI※2)を直接操作する方法の2通りの利用方法が選択できます。
※1 API:Application Programming Interfaceの略
※2 GUI:Graphical User Interfaceの略
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Features04
様々なシステムやプラットフォームとの連携
Cyber Port を通してNACCS の手続を行うことが可能となり、より効率的にNACCS業務を行うことが可能となります。
今後、他の貿易プラットフォームとの連携により、更なる業務の効率化を実現します。 -
Features05
データの提供・活用
Cyber Portに蓄積されるデータを匿名化し、集計データとして提供・活用します。また、NACCSと連携することで、集計データの充実を図ります。
※令和3年4月時点では「データ提供・活用機能」は運用していません。今後、実装に向け取り組んでいきます。
CONPASとは
CONPASは、コンテナターミナルのゲート前混雑の解消やトレーラーのターミナル滞在時間の
短縮を図り、コンテナ物流を効率化することを目的としたシステムです。

CONPASの特長
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Features01
搬出入予約
搬出入予約制度を導入することにより、特定の時間帯に集中して到着するコンテナ搬出入トレーラーを分散・平準化できます。
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Features02
搬入情報の事前照合
Cyber Portで電子化した搬入票を活用し、トレーラーがターミナルのゲートに到着する前に、搬入手続(搬入情報とTOS情報の照合)が行えるようになります。
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Features03
PSカード活用
貨物情報をPSカードに紐付けることで、搬出入票の提示等を省略し、PSカード※のタッチのみで入場手続が行えるようになります。
※Port Security カードの略。港湾の制限区域への人の出入りを確実かつ円滑に管理するために国が発行するICカード
Cyber Portの導入メリット
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Merit01
業務時間の削減とIT投資の節減
港湾に関わる物流手続について、書類の作成・送信、データの取得・再入力、問い合わせ等に要する時間が最大約4割削減※できます。
また、事業者間で異なる書類様式・項目や接続方法への対応が不要となることで、システム改修費用が節減できます。※港湾物流手続(輸出)における削減時間の試算結果より
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Merit02
手続の待ち時間の短縮
従来よりも早いタイミングでのデータ取得、関係者共有が可能となり、手続の待ち時間短縮による業務の効率化や顧客へのサービス向上が可能となります。
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Merit03
各社のシステムと連携した物流業務の実現と、
在宅勤務の促進各社のこれまでのシステムへの投資を無駄にせずCyber Portが利用できます。また在宅での物流業務が可能となり、ウィズコロナ時代に対応した業務環境が実現します。
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Merit04
NACCS等との連携による業務の更なる効率化
Cyber Portを通してNACCSの手続を行うことが可能となれば、港湾物流手続と税関手続のワンストップ化が可能となります。また、様々なプラットフォームとの連携により、更なる業務の効率化が期待できます。
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Merit05
物流業務の効率化や政策検討への活用
Cyber Portの集計データを活用することにより、港湾物流業務の効率化が期待できます。また新たな港湾政策・物流政策の立案にも役立てていきます。
こちら
CONPASの導入メリット
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Merit01
ゲート前待機時間の削減
トレーラーのターミナル到着の分散・平準化により、ゲート前混雑の解消とトレーラー待機時間の短縮が期待できます。
試験運用では、搬入トレーラーの14%がCONPASで予約を行った結果、搬入トレーラーのゲート前総待機時間を約1割削減できました。 -
Merit02
急な情報確認や修正の減少
ゲートでの搬入手続の際に書類の不備が見つかると、急な情報確認や修正が必要となり、ゲート前混雑の原因となっていました。
事前に搬入情報の照合を行うことにより、書類の不備が減少し、ゲート前混雑の削減が図れます。 -
Merit03
ゲート処理能力の向上
搬入情報の事前照合や、PSカードのタッチによる入場手続により、ゲート処理時間が短縮できます。
推計では搬入情報の事前照合により実入りコンテナ搬入処理時間を6割削減できるという結果を得ています。